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国内MBAへ通ってよかったこと:「共通言語」と「思考体力」の獲得

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僕は2年半かけて国内MBAを修了した。仕事との両立は大変だったが、得たものも大きかった。日々仕事をしていく中でMBAへ通って良かったと感じるのは、「共通言語」と「思考体力」を身に付けられたことだ。

この2つを備えている(あるいは意識している)ことで仕事において、納得出来るところまで議論を進めることが出来ると感じている。議論の相手がMBAホルダーなら尚更だ。以下の考えは僕の経験から得たものであるが、MBAへの進学を考えている方に参考にしていただければと思う。

 

ビジネスの「共通言語」を身に付けることが出来た

まずMBAへ通ってよかったと実感したのが、ビジネスの「共通言語」を身に付けられたことだ。そもそもビジネスの「共通言語」とは何なのか。英語や専門用語もビジネスの「共通言語」ではあるが、ここで僕が強調したいのは「思考方法」というビジネスの「共通言語」だ。「思考方法」は結果として「言葉」や「行動」となって表現されるため、ビジネス上のコミュニケーションにおける最も大切な要素であると考える。
「思考方法」の根底にあるのはMBAで学習する体系的な経営の知識だ。体系的な経営の知識も「共通言語」の一部であるが、これだけでは不十分。なぜなら、現代のビジネスや経営は複雑と言われるが、それをさらに複雑にしているのは人間自身だからだ。思考し、言葉にし、行動する、そのダイナミズムを「共通言語」は捉えなければならない。こういったダイナミズムは、年齢や性別、所属会社などバックグラウンドの異なる人達とのディスカッションなどのコミュニケーションを通じてこそ、捉えることが出来る。MBAでは経営やビジネスを学ぶ同級生と実践を通じて「共通言語」を学ぶことが出来るのである。

 

「思考体力」を鍛えることが出来た

僕がMBAへ入る前に不安だったのが「思考体力」すなわち、「考え抜く力」だった。考えることを止めなければいいのが、考えることには終わりがないし、考え続けていると疲れてしまうので仕事上では曖昧にしていた点もあった。MBAに入って同級生を見回すと、「思考体力」のある人ばかり。僕も負けじとついていく覚悟を決めた。
「思考体力」を鍛えるためには、仮説、検証を繰り返していく。その繰り返しの中で理論を深めたり、他人の意見を取り入れて異なる切り口から仮説を立てるなどして、さらに鍛えていく。MBAの授業では、ケーススタディやレポートなどでこういった訓練がされていく。しかし、僕が授業以上に「思考体力」が鍛えられたと思っているのが修士論文だ。修士論文こそ仮説、検証、理論の学習の繰り返しだった。検証するためには、自らインタビューやアンケートなどの調査を行わなければならない。ケーススタディは机上で終わってしまうが、修士論文はビジネスに近い感覚を持って取り組むことができ、実践的な「思考体力」が養われたと感じている。
こういった環境に身を置けば、MBAを修了した段階ではビジネスで使える「思考体力」が格段に高まっているだろう。正解が無いビジネスの世界において難しい課題に対処していく、その土台ともいえる「思考体力」を学ぶことが出来たのはMBAでの大きな収穫だった。