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旅とは移動と食事と観光。快適で美味しい旅を提案。Tipsも少々。

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旅先で読みたい、旅に持っていきたい、おすすめの「旅の本」5選 :本を持って旅に出よう!

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出張であれ旅行であれ、旅は予定が詰まっていても意外と本を読む時間もある。移動中、空港での待ち時間、ホテルで寝付く前。Kindleに入れておけばかさ張ることもない。

 

僕はお気に入りの本を持って旅している。旅先では少し感傷的になっているのか、感覚が澄まされているのか、日常で読むのとは少し違う感じ方をすることもある。中でも旅先で読む「旅の本」はいい。まさに今、旅をしている自分を「旅の主人公」として改めて認識させてくれるからだ。

 

普段から本を読む方はもちろん、普段はあまり読まない方も、旅にはぜひ本を持っていってほしい。

 

1. 「あの空の下で」 吉田修一

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あの空の下で (集英社文庫)

この本を読むと旅に出たくなる。それならと旅に持っていった。それ以来、僕のiPhoneKindleに入っている。ANAの機内誌「翼の王国」に掲載された短編物語とエッセイを収録したこの本。もともと旅のお供に書かれたものなのだ。短編集なので待ち時間などにサクッと読める。短編物語は旅に関する話が多く、旅先の何気ないやり取り、何気ない日常から物語を描いている。軽いタッチで書かれているため、大きな感動はないのだが、胸に引っかかる印象的なフレーズが所々に入っている。読後は不思議な爽快感で満たされ、日常の何気ない幸せをありがたく思える。
続編の「空の冒険 (集英社文庫)」と共にどうぞ。

 

2. 「青春を山に賭けて」 植村直己

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青春を山に賭けて (文春文庫)

植村直己はマッキンリーで消息を絶ったことが知られているが、世界ではじめて五大陸最高峰を踏破した偉大な冒険家。一見無謀とも思える目標を掲げ、それに対して入念な準備とひたむきな努力そして類い稀など根性で立ち向かっていく。僕にはこの様な旅は出来ないが、自分が旅に求めているのは少なからず「冒険」という要素もある。旅の目的は人それぞれ。旅で心を空っぽにして日々の疲れをリセットするのもいいが、旅先で「何かに挑んだ」男の物語を読むことで自分の「冒険心」や「挑戦心」を奮い立たして明日の活力とするのもいい。

 

3. 「夜間飛行」 サン=テグジュペリ

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夜間飛行 (新潮文庫)

「星の王子様」の作者として知られているサン=テグジュペリ。「夜間飛行」は彼のパイロットとしての体験を基に書かれた作品である。時代は航空機黎明期、夜間の郵便飛行事業に命を懸けて取り組む人々を描いた作品である。この物語の主人公は操縦士ではなく厳格で冷徹な「支配人」である。彼は危険だと知りながら、不安や責任という重圧と戦い、郵便飛行事業の死活を懸け、操縦士の命を懸けて夜間の郵便飛行事業を行う。その中で浮き彫りにされる人間の尊厳と勇気を描いた作品。
文章が綺麗で描写された風景が目に浮かぶ。旅行で夜行便に乗った際は、この本を開き当時に思いを馳せてみる。今では当たり前の夜間飛行だが、黎明期には何人もの英雄が冒険的に夜間飛行を開拓したのだ。

 

4. 「深夜特急沢木耕太郎

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深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

バックパッカーバイブル」と言われている人気の本。そんな本をここで紹介しなくても良いのかもしれないが、あえて紹介したい。筆者の旅行体験記で香港からロンドンを目指して旅をする。本編は文庫であれば全6巻となっている。

僕は高校の世界史の先生にこの本を教えてもらい、大学生の頃に全巻読んだ。それから夢中になって海外、特にアジアを何度も訪れた。筆者のようなバックパックの旅はしていないが、何度も旅をしている内に将来は海外で働く仕事がしたいと思うようになった。そして希望の会社へ就職した。僕にとっては旅のバイブルにはならなかったが、人生の大きな決断に関わった本だ。就職をしてから8年が経った今でもこの本の舞台となった国に行く際には携行している。

読み終われば旅に出たくなること間違いなし。本の舞台と時代は違えど、旅先で読めば自分がまるで筆者と共に物語の舞台に立っているような感覚になる。冒険心をくすぐる一冊。

 

5. 「水滸伝」「楊令伝」「岳飛伝」 北方謙三

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水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫)

北方謙三の「大水滸伝」を構成する長編小説3部作。物語は12世紀の中国、北宋末期からはじまる。政府の腐敗があまりにも酷く、その政府を倒し世直し図ろうと大きな志を持った男達。彼らは大きすぎる相手に武力闘争で挑んでいく。登場人物は敵味方を問わずその志、生き様にしびれる。

僕は長期出張で中国に数ヶ月滞在していた際に読んだ。フィクションではあるが、広い中国を舞台に駆け回る男達にロマンを感じずにはいられなかった。物語の舞台となった地で読む小説は趣がある。

楊令伝 1 玄旗の章 (集英社文庫)

岳飛伝 1 三霊の章 (集英社文庫)