論理的思考(ロジカルシンキング)とは、「筋道が通っており一貫している考え方」のこと。もともとコンサルタントが使う思考方法とされていたものだ。しかし、今では論理的思考はビジネスの共通言語と言われるほどビジネスパーソンにとってのマストスキルとなっている。
論理的思考力を身に付けるための5冊
論理的思考力は特殊なスキルではなく、訓練を積めば誰もが出来るようになる。論理的思考を高めることは効率的に仕事を進めたり、問題解決力を高めることにもつながっていく。
そのためには、まず論理的思考を理解し、実践で鍛えながら問題解決力を高めていくというステップが必要だ。この項目では、論理的思考力、問題解決力を身につけるのに最適な5冊をステップ順に紹介する。
ステップ① 論理的思考を意識する「世界一やさしい問題解決の授業」
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
実は、僕たちは普段から無意識に論理的に思考をしている。そこで、まずは「論理的思考」という考え方がある、という意識を持つことが大切。この本で「論理的思考」とは何かを理解すると良い。この本は「中学生向け」というコンセプトではあるが、大人が読んでも大変参考になる。とても丁寧に解説されているので、今までこういった類の本が苦手だった方にもおすすめだ。
ステップ② テクニックを俯瞰する「グロービスMBAクリティカル・シンキング」
改訂3版 グロービスMBAクリティカル・シンキング (グロービスMBAシリーズ)
この本を読むことで広く論理的思考のポイントについて習得することが出来る。ピラミッドストラクチャー、イシュー、MECE、演繹帰納、因果関係など幅広く網羅されている。演習(ケーススタディ)も載っている。実践的な内容となっており、独学するには良い教科書となる。テクニックの辞書としても使える。自信のある方はステップ①をスキップしてこの本から学習を始めても良い。
ステップ③ 問題解決の実行力をつける「問題解決プロフェッショナル―思考と技術」
ステップ②の「グロービスMBAクリティカル・シンキング」で幅広く論理的思考のポイントを学習したなら、学習内容をビジネスの現場で実行するためにこの本を読むことをおすすめする。この本のコンセプトはビジネスの現場で「実行できること」を支援すること。ステップ①、②の書籍と重なる内容もあるが、抑えておきたい1冊。
ステップ④ 文章を書く技術を鍛える「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」
文章を書く際の論理構造について説明している。文章を上手に書くことが出来ないのは、論理構造に問題があるからだとし、論理的な記述を行うルールやテクニックを伝えている。この本は通称「バーバラミント」とか「ミント」と言われ、多くのビジネスパーソンが読んでいる。ただ、内容が少し難しく、さらに翻訳本であるため、読みづらい箇所もある。しかし、読み終えれば成長を感じるはずだ。
ステップ⑤ 問題発見力を鍛える「問題発見プロフェッショナル―構想力と分析力」
ステップ④までくれば論理的思考力と問題解決力は高まっているだろう。最後に問題を特定する力を磨いて総仕上げだ。この本は、問題解決の前段階、問題発見に焦点を当てたものだ。いくら論理的思考力と問題解決力を高めても、問題そのものを正しく認識しなければ解決策を導くことは出来ない。誤った問題設定をすれば、誤った解決策が導かれてしまう。この本は、問題は何か、真の問題を捉えるための技術を学ぶことが出来る。
まとめ
論理的思考は一朝一夕に身につくものではない。しかし、良書を通して考え方を理解し、ケーススタディを解くことで論理的思考力や問題解決力は確実にレベルアップしていくだろう。後は実践あるのみ!ビジネスの現場で鍛えていきたい。