バガンは観光シーズンであってもヤンゴンなどと比べると朝夜は気温が低く、昼間は暑い。気温の低い朝早くから動きだし、暑い日中はホテルで昼寝をするなど体力を温存しながらの旅をとなるだろう。事前に訪れたいスポットをリストアップして効率よく観光することをお勧めする。
2017年、数年ぶりにバガンを訪れた。多くのパゴダが2016年8月に起こった地震の影響を受けていた。ブルーシートに覆われた損傷を受けた個所が痛々しかった。地震でダメージを受けた個所の更なる破損、亀裂などからの雨漏りによる浸食を防ぐ為に覆っているのだという。ただ、まだ修復工事の目処さえ立っていないパヤーがほとんどだという。
観光をするにあたっては、ブルーシートが目立つ寺院もあるが、多くの寺院ではそれほど気にはならない。また、寺院の中は問題なく見学出来る。早期の修復を願っている。
1. バガンを代表する大きな寺院「アーナンダ寺院」
バガンを代表する大きな寺院。他の寺院やパゴダと同様に東西南北に仏像が納められている。非常に大きな仏像で、僕たちが見上げる位置によって仏像の表情が、怒っているように見えたり、微笑んでいるように見えたりする。
2. 褐色の大地にあるゴールドのプリティな仏塔に癒される「プー・パヤー」
エーヤワディー川の畔にある寺院。バガンの寺院やパゴダは土色や白色のものが多い。金色の仏塔を見るとなぜか、ヤンゴンを思い出す。観光地であるのと同時に、地元の方々の多くいる。そのため、賑わっていて大地の中の土色のパゴダとは違う雰囲気が楽しめる。
3. ヤンゴンのシュエダゴン・パゴダのモデル「シュエズィーゴン・パヤー」
こちらも金色の仏塔が目立つパヤー。ヤンゴンのシュエダゴン・パヤーのモデルになったパヤーと言われている。先日行った際には、仏塔全体をゴザで覆って金箔を貼る作業をしていた。10年に一度程度の割合で金箔を貼る作業を行う。そのタイミングと重なると金色に美しく輝く仏塔は見ることは出来ない。しかし、これもミャンマーの営みだ。
4. ライトアップが美しい「ゴドーパリィン寺院」
高さ55m。バガンで2番目に高い寺院というが、他の寺院に比べるとスリムなためか、近づいてもそれほどまでに大きな寺院という印象を持たない。お勧めはライトアップされる夜だ。観光客もいるが、地元の人々で賑わっている。暑いシーズンに訪れる方は涼しく日が落ちた夜に行くことをお勧めする。
5. 未完成の巨大寺院「ダマヤンヂー寺院」
父親である王と兄弟を殺害して王座に付いたナラトゥー王が建設を指示した寺院。自身もこの寺院が完成する前に亡くなっている。それ以来、工事が中止され完成に至っていない。そのため、仏塔の上の部分がなく、ピラミッドのような形になっている。現在においてもこの寺院は人気がなく、整備が行き届いていない個所がある。中にはコウモリが住着き匂いがキツい。ガイドが「日本のガイドブックには幽霊が出ると書いてあるんですよ」と笑い飛ばす。未完成の寺院ではあるが、逸話を含めて見どころは多い。
6. 地元に愛されている「傘の王」に由来する「ティーローミィンロー寺院」
パガン王のナンダウンミャーが王位を継承したことを記念して建てられたという。王位は父から受け継いでいるが、父は王子の中から継承者を決める際に「傘」を使用したという伝説がある。継承する可能性のある者を並べて傘が倒れた方向に居た者を継承者としたそうだ。父はナンダウンミャーが王にふさわしく、後継者に決めていたそうだ。しかし、兄弟などからの恨みによる後の混乱を避ける為に「傘」を利用したのだという。ティーローミィンローとは「傘の王」という意味だそうだ。
7. サンライズのスポット「ブレディ・パゴダ」
朝日の名所。パゴダの中に入ることは出来ないが、登ることが出来る。朝に訪れると多くの観光客が朝日を待ってパゴダに登っている。もちろん、ここで朝日を見るもよし。観光シーズンであれば朝日を見るための観光気球が飛んでいる姿も見ることが出来る。しかし、僕のお勧めは日中。日中は観光客があまりいない。もし、時間があれば人気のないパゴダに登ってゆっくりと大地を眺めるもよし、読書をするのもいいだろう。きっと有意義な時間が流れるはずだ。
8. サンセットの名所「シュエサンドー・パヤー/シィンビンターリャウン」
このパゴダも登ることが出来る。パゴダ自体が大きく上まで上がれるので、非常に見晴らしがいい。こちらは夕日の名所として有名。夕暮れ時には多くの観光客がカメラを構えて夕日が沈むのを待っている。大きいパゴダだが、その時間になると混雑するため、夕日を狙うのであれば1時間以上前には到着したい。このパゴダのすぐ近く(併設されている)にシィンビンターリャウンがある。石で出来た大きな涅槃像が置かれている。シュエサンドー・パヤーへ訪れた際には一緒に訪ねたい。
9. バガン一の高さを誇る「タビィニュ寺院」/「日本人戦没者慰霊碑」
タビィニュ寺院はバガンで一番高い寺院。近づくとその姿は圧巻だ。現在は車では近くまで寄ることが出来ず、門から10分程度かけて入り口まで歩かなければならない。タビィニュ寺院へ行ったら是非訪れてほしいのは、バガン日本人墓地。タビィニュ寺院のメインの入口の目の前にお土産屋が並んでいるのだが、その間に「Thatbyinnyu Monastery」と書かれた門がある。タビィニュ修道院の入口なのだが、入ってすぐ左の所に日本人戦没者慰霊碑がある。管理人に線香をもらうことが出来る。お供え物にする水は目の前のお土産屋で購入出来る。バガンの乾いた大地にある慰霊者に、せめて冷たい水でも捧げたい。
10. サンセットの穴場的スポット「ソーミィンヂー僧院」
廃墟になった僧院。僧院としては大きいらしいが、他の寺院やパゴダなどと比べると規模は小さい。それほど混んでいない。建物の上に登ることが出来るが、傷みが激しいため、登る際は要注意。夕日を見る穴場的なスポットとしてもお勧め。僕が行った際には夕日を眺めている観光客が数組いただけだった。
11. バガンの台所「ニャンウーマーケット」
庶民の生活を垣間見ることが出来るマーケット。野菜、果物、魚、肉などあらゆるモノを売っている。たくさんの店が並んでいる。肉屋や魚屋の前では日本で見かけない光景を見る事になるが、命の大切さや食物のありがたさを改めて知ることが出来る。朝早くの活気がある時間に訪れたい。
12. バガンの魅力はメジャーな観光スポットだけではない「名も無いパゴダ」
いや、名はあるはずだが、観光客である僕らには分からない。バガンには約4000基のパゴダがある。有名でガイドブックに載っていたり、ガイドが案内してくれるのはその中の、ほんの一握りの大きなパゴダだ。しかし、バガン一帯には寄進によって建てられた小さなパゴダが多く存在している。それらの多くが中に入ることが出来る。小さく、観光客に見向きもされていないため、荒れているものもあるが、道路を走っていて気になるパゴダを見つけたら車を停めてもらい近づいてみたい。人気がないパゴダに歴史を感じることが出来るだろう。近づく際は草が生い茂っていたり、パゴダが崩れて危険がないか、気をつけたい。