僕はASEAN各国へ出張や旅行で訪れたが、気づくとASEAN10カ国のうちブルネイ(正式名称:ブルネイ・ダルサラーム国)だけが未踏だった。そこで、せっかくなのでASEANを制覇しようとブルネイの首都バンダルスリブガワンへの旅行を計画した。もともと観光地が少ないバンダルスリブガワン。モスクやマングローブなど観光スポットはあるものの、1日あれば十分見て回ることが出来る。
ブルネイ観光の注意点
他のアジア諸国に比べると物足りなさを感じる
ブルネイはアジア有数の裕福な国と言われているが、その首都バンダルスリブガワンには繁華街や高い建物はない。また、中心部はこぢんまりとしていて徒歩で回ることが出来る程の大きさだ。他のASEAN諸国に比べると見どころに物足りなさを感じるかも知れないが、この国独特の雰囲気を楽しむことが出来る。
敬虔なイスラム国家、オフィスアワーに要注意
ブルネイは敬虔なイスラム国家だ。同じくイスラム文化を持つマレーシアやインドネシアなどに比べてかなり厳格だ。例えば、金曜日の12時〜14時まではレストランやお店を含むほとんどの施設がクローズする(施設によってはクローズの時間が前後に延長されているので要注意)。観光に影響があるので、金曜日に滞在する際は事前に計画を立てておきたい。
お酒の販売はなし、タバコは1本単位で課税
ブルネイ国内では一切お酒を売っていない。手荷物で持ち込むことは出来るが、通関の際に申請が必要という煩雑さがある。お酒は規定内の量であれば免税だが、タバコは1本から課税され持ち込む本数に応じて税金を支払う必要がある。
訪れる際は観光地そのものに期待するよりは、この国の文化を体感することを目的の1つにすると不便さをも楽しめるかも知れない。
1. スルターン・オマール・アリ・サイフディン・モスク(オールドモスク)
ラグーンの畔に建てられたブルネイを象徴するモスク。モスクの外は自由に歩き回ることが出来るが、ノンムスリムがモスク内部へ入る時間帯は制限されている。外から見ると大理石や御影石で作られたモスクに感嘆する。また、モスク内ではステンドグラスなど立派な装飾品を見ることが出来る。ノンムスリムが入ることが出来るスペースは限られているが、ぜひ入って内部を見ることをお勧めする。
ノンムスリムのビジッティングアワー
観光客がモスク内部へ入ることが出来るのは以下の時間帯のみ(2016年9月現在)
土曜日〜水曜日:8:30〜12:00, 13:30〜15:00, 16:30〜17:30
金曜日:16:30〜17:30
※木曜日はモスク内部へ入ることが出来ない。
2. ジャミ・アサール・ハサナル・ボルキア・モスク(ニューモスク)
このモスクは新しく1994年に国王の資産で建てられたとのこと。僕は当初このモスクへ訪れる予定はなかったが、ライトアップされて浮かび上がった姿を道路から見て、近くまで寄らずにはいられなかった。夜でも駐車所は解放されており、建物まで近づくことが出来る。
3. 水上集落とマングローブのジャングル
僕はオープンマーケット隣にある船乗り場で水上タクシーをチャーターして水上集落とマングローブのジャングルへ行った。ブルネイ川を下っていくと大きな水上集落が現れる。そこには学校などもある。集落は僕が思っていたよりも遥かに立派で水中にコンクリートの基礎を建てて、その上に家々が建っている。また、更に川を下ればマングローブのジャングルが生い茂っている。細い支流に入ってもらうとジャングル感が増す。運が良ければテングザルを目撃出来ると水上タクシーの船頭が教えてくれた。料金は2時間半のチャーターで$40だった。
4. オープンマーケット/ナイトマーケット
バンダルスリブガワンには近代的な建物のショッピングモールもあるが、こういったマーケットでは庶民生活を垣間見ることが出来る。オープンマーケットは食材などが中心で我々観光客が買うことが出来る品物はほとんど売っていない。一方で、ナイトマーケットは屋台的なお店が出ており、食べ歩きすることが出来る。夜遅く23時頃まで地元の人や観光客で賑わっている。しかし、やはりマーケットもこぢんまりしており、タイなどのマーケットを想像して訪れると気抜けするかもしれない。
5. ロイヤル・レガリア
国王や王室関連の品物が納められた博物館。王室ゆかりの金銀の財宝をはじめ、国王へ即位した際の行列が人形で再現されているなど、王室の歴史も知ることが出来る。建物に入る際には靴を脱いでスリッパに履き替える。手荷物やカメラなどはクローク横のロッカーに預けなければならない。室内は広いが見学にそれほど長い時間はかからない。じっくりと見て回れば別だが、興味のあるところをサクサクと見て回れば1時間たらずで回ることが出来る。