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候補者が見落としがちな採用基準「中途採用面接で最も大切なこと」

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僕は新卒で入った日系の大手企業、その後転職した外資系のコンサルティング会社で人事をやっている。経験上、優秀な候補者でも採用に至らないケースが多々あるが、その場合はたいてい面接でのインパクトが弱いのである。僕が人事担当として、候補者として面接に臨んだ経験からインパクトを強める方法として「熱意」や「おもい」を伝えることをおすすめする。経歴や能力は申し分ないのに面接に受からない人は参考にしていただきたい。

 

中途採用で出来て当たり前のこと

中途採用で一般的に大切なことは転職エージェントのホームページを開けばポイントが載っている。時間に遅れない、清潔な服装、面接マナー、お決まりの質問への回答方法など。また、業界知識や会社概要、財務状況などに事前に目を通すと良いとされている。しかし、これらは中途採用候補であればどれも出来て当たり前のこと、やって当たり前の準備なのだ。
こういった内容に関しては、回答や振る舞い、基礎知識がその会社の基準に満たしていなければ不合格となる。しかし、満たしていれば最終的に合格するかというと、正確には「合格の条件となる」という表現が正しいだろう。

 

中途採用で他候補と圧倒的な差をつけられるポイント

もちろんテクニックは大切だが、今回は中途採用であまり語られない大切なポイントを紹介したい。それは、業種や会社、業務内容に対する「熱意」や「おもい」である。ここを上手く表現することで他の候補と圧倒的な差をつけることが出来る。面接官は回答や振る舞いを確認すると同時に入社意欲を面接全体を通して確認している。入社意欲が低いと判断された候補者は、レベルの高い候補者であっても次の面接に進むことはあまりないだろう。次の面接へ進めても、仮にオファーを出しても来ない可能性が高ければ面接自体が無駄になってしまうからである。
しかし、面接で「熱意を語ってください」や「おもいを語ってください」といったあからさまな質問を受けることは滅多にない。面接官はあくまでも他の回答や振る舞いから入社意欲を探っているのである。

 

内に秘めた思いは伝わらない!「熱意」や「おもい」をどう表現するか

直接質問で聞いてもらえないとなるとどう表現していくのが良いのか。方法は以下の3つがあると考える。また、「熱意」や「おもい」を語る際には、それを思うに至った経験やきっかけなどの具体性を持たせることが大切だ。

1. 志望動機に「熱意」や「おもい」を入れる

学生時代の就職活動を思い出してほしい。志望動機には「御社の製品を通じて世界を貧困から救いたい!」とか「御社の製品で社会を豊かにしたい!」などと熱っぽく話した記憶があるのではないか。一方で、中途採用面接では「業界No.1環境でチャレンジしたい」とか「成長中の御社で新事業に携わりたい」など小さくまとめてくる候補者が多い。新卒にように強調し過ぎると「夢追い人」のように思われ減点対象となるが、志望動機にスマートに「熱意」や「おもい」が入れられれば良い。それほど難しいことではない。たとえば、「自分が御社に応募した根底には○○な思いがあります」といった具合に。

2. 自ら切り出す

面接官との会話が途絶えたタイミングや逆質問のタイミングで自分がどういう経緯で応募に至ったか、どういう「熱意」や「おもい」を持って仕事に取り組むかを語る。まさにアピール時間をもらうのである。それが故、面接という場においても若干の唐突さは否めない。

3. 面接官の回答から関連付ける

たとえば、やり取りの中で面接官が「この製品が普及することで、現在の○○という状況が、△△という状況に改善される」という発言をした場合、「私も△△という状況を作り出していきたい。なぜなら…」という会話を続ける。「なぜなら」以下に自分自身の「熱意」や「おもい」を語ることで唐突さは消える。

 

「熱意」や「おもい」が大切な理由

僕は様々な会社の採用担当や採用エージェントと話す機会があるが「熱意」「おもい」を確認することは会社、候補者の両方にとって大切だとよく感じる。これによってミスマッチも防ぐことが出来るのである。
たとえば、あるスタートアップのベンチャーはその製品に対する特別なパッションが必要という。このベンチャーは製品開発中で、製品を生み出すには生みの苦しみがあり、つらいことも多い。これを乗り切るためには製品を生み出すこと自体やその製品によって解決される未来に対する特別な熱意がないと続かない、ということである。
また、海外勤務が多いあるメーカーでは、社会問題を解決したい、現代社会の基盤を支えたいという思いが重要という。働き方の特徴として長期のプロジェクトが多いこと、海外勤務が長いことから、軽い気持ちや生半可な気持ちで入ると本人にとって不幸、ということである。

会社の業務を遂行する際は、どうしても論理的に物事を表現することが多くなっている。それが会社では普通のことで、論理性を求められるからしかたがない。しかし、この「会社モード」で転職活動に臨もうとすると落とし穴にはまってしまう。もし、自分が面接官であれば、候補者が淡々と経歴を話す姿を見てどう思うか。一方で、業界、会社、業務に対する熱意がある候補者に出会えばどう思うか。


他の候補者に差を付けられるポイントを忘れずにアピールしていきたい。